パートナーの海外赴任が決まって突然の駐在妻に。
海外で生活することを友人に伝えると「うらやましい!」と言われた経験はありますか?
私は同僚や友人に同じようなことを言われました。
インターネットで「駐在妻」と検索すると「勝ち組」の言葉があとに続くこともあります。
駐在妻になる本人にとっては「本当に勝ち組になったのか」気になるところですよね。
そこで今回は元駐在妻の私が考える、海外生活の「光と影」の部分をお伝えします。
- 駐在妻は勝ち組と思われる理由
- 駐在生活の良かったところ(光の部分)
- 駐在生活の辛かったところ(影の部分)
- 駐在妻になると背負うリスク
駐在妻になると決めた以上、今までの環境から大きく変わる覚悟を持って帯同についていくことになります。
これから駐在妻になる予定の人や駐在生活でモヤモヤしている方は、私の経験を少しでも参考にしてくださいね。
駐在妻は勝ち組と言われる理由
駐在妻はなぜ「勝ち組」というイメージがあるのでしょうか?
オシャレなお店でランチ会
まとまった時間で海外旅行
ヨガやジムで自分磨き
SNSで駐在妻のキラキラした投稿を見ると、たしかにうらやましくなりますよね。
私も赴任前は「オシャレな生活が待っている!」と期待に胸をふくらませていました。
そうは言ってもSNSやブログ投稿は駐在生活のほんの一部なので、その部分だけを見ても判断できません。
私自身もランチ会は数か月に1度ほどで、海外旅行も子どもの休みに合わせて格安航空券を駆使して行っていました。
あまりキラキラする機会も少なく、子どもと公園で汗だくになって遊ぶ方が多かったです。
また海外赴任中はさまざまな帯同手当があり、たしかに給与面では収入が増えます。
しかし物価が高い国で生活すると出費も増えるので、日本と同じように値段を気にして買うことも多いです。
私は日系スーパーと現地のマーケットを使い分けていました。
現地で買う日本の食品は本当に高いです。
もちろん、なかには勝ち組のような生活を満喫している人もいるかもしれません。
しかし少なくとも私の周りでは、さまざまな悩みを乗り越えながら駐在生活を過ごしていました。
楽しい思い出もあれば、思い返すと辛かった時期もあります。
勝ち組という言葉だけが「ひとり歩き」しているように感じますね。
では駐在生活の良かったところや辛かったことは、具体的にどんなことがあるのでしょうか?
駐在生活で良かったところ|光の部分
駐在生活を経験して良かったことは数多くありますが、特に心に強く残ったことは次の5つです。
- 海外の文化にふれられる
- 海外旅行が行きやすい
- 子どもの経験値が高まる
- 駐在妻仲間とつながれる
- 自分の時間を確保できる
あくまでも私自身の経験から感じることなので、1つの参考にしてくださいね。
海外の文化にふれられる
駐在生活では現地の文化に直接ふれられるので、自分の考えや視野が広がります。
旅行に行くだけではわからない、現地の生活や文化を身近に体験できますよ!
日本とのちがいに驚くことも多いですが、これも駐在しないとわからないことです。
気持ちに余裕ができたら、どんどん外に出て日本ではできない経験をたくさん積み重ねましょう。
私も最終的には、現地の人しかいない食堂に1人でいって食事を楽しんでいました♪
海外旅行が行きやすい
交通機関が発達している国に駐在すれば、数時間ほどで海外旅行へ行くことも可能です。
私が駐在していたシンガポールも、近隣の国だと飛行機を使えば1~2時間で移動できます。
日本に一時帰国するより時間も費用もかからないので、休みに合わせて旅行を楽しむ人が多かったです。
日本に住んでいるとハードルが高い海外旅行。
駐在していたからこそ何度も経験できたので、旅行好きの私としては本当にありがたい環境でした。
海外の文化にたくさんふれたい方は、ぜひ積極的に旅に出てくださいね!
子どもの経験値が高まる
もしお子さんがいれば、海外の文化にふれることで経験値が高まります。
お子さんの年齢にもよりますが、当時の経験は将来につながる可能性もありますし、幼少期に体験できたことはムダにはなりません。
わが子は年長~小3まで駐在生活を経験しましたが、当時の記憶を思い出して話すこともあります。
子どもなりに当時感じていた思いを聞くのも、親としてはうれしい限りです。
もちろん生活に慣れるまで苦労しますが、日本では得られない経験をたくさん吸収できるのは駐在生活の良さの1つです。
限られた駐在生活のなかで、お子さんと一緒に楽しい思い出をたくさん作ってくださいね。
駐在妻仲間とつながれる
不安の多い駐在生活では、気軽に会えて話せる駐在妻仲間の存在がとても頼りになります。
駐在国によりますが、国内で転勤するよりも似たような境遇の人が身近にいる感覚です。
知り合うきっかけも、マンション内や子ども関係などさまざま。
私も習い事や子ども関係で複数のグループに入っていました。
現地生活の悩みや耳寄り情報を共有できるので、とても心強かったですね。
どこに住んでいても人間関係のトラブルは起こり得ますが、それ以上に心の支えになる方とも知り合えます。
私は周りの友人に恵まれていたので本当に感謝しています。
まだ駐在している友人もいるので、いつか会いに行きたいです♪
自分の時間が確保できる
海外赴任についていくとなれば、仕事を退職して駐在妻になる方も多いです。
キャリアストップは辛かったですが、自分の時間が確保できるので新しいことを始める絶好のチャンス!
さまざまな経験をとおして、新たな一面を発見できたり興味の幅が広がったりすれば、充実した毎日を過ごせますよ。
私は子どもが学校に行っている日中に、ズンバや英語を習ったり街へ出て散策したりしていました。
自分の時間が少しでもあれば心にゆとりができるので、好きな事をして過ごす日も作ってくださいね。
たとえ外に出なくても、おうち時間をいかに楽しめるかが大事なポイント。
読書・動画視聴・昼寝なんでもOK!リラックスする時間をしっかり確保しましょう!
こうしてみると「駐在生活も何だか楽しそう♪」と感じますよね。
たしかに思い返せば楽しい思い出もたくさんありますが、駐在当初は何度も日本に帰りたいと思っていました。
つぎは私が感じた駐在生活の「影の部分=辛かったこと」をお伝えします。
駐在生活で辛かったところ|影の部分
駐在生活では気持ちの浮き沈みも多く、次のようなことがあると特に落ち込んでいました。
- コミュニケーションがとれない
- 現地の習慣や文化のちがいにとまどう
- 現地の気候や生活環境のギャップ
- 働きたくても働けない環境
- ワンオペ育児のハードルが高い
私の場合、駐在妻になって1年半ほどは心から海外生活を楽しめませんでした。
今だから思う対処法もお伝えしますので、参考にしてくださいね。
コミュニケーションがとれない
駐在生活では当たり前ですが日本語は通じないので、現地の言葉や英語でやり取りする必要があります。
シンガポールは英語も通じますが、思うようにコミュニケーションがとれず……。
ちょっとした連絡もハードルが高くカンペは必須でした。
日本語だとすんなり終わることも、海外では一苦労。
こちらの意図が通じないもどかしさにイライラすることもありました。
英語力はあるに越したことはありませんが、コミュニケーション力も必要だったなと今では思います。
生活習慣や文化のちがいにとまどう
現地での生活習慣や文化も日本と大きくちがうことに、最初はとまどいます。
宅配も時間通りに来ないことが多く、荷物を受け取るだけでも神経をつかってましたね。
再配達の手続きも大変なので、確実に受け取るために予定を変更するママ友もいました。
電車やバスの乗り方ひとつとっても日本のルールは通用しないので、当たり前だったことが当たり前でなくなります。
こればかりは慣れるしかないのですが、駐在生活が始まって数か月はストレスを感じていました。
時間が経つほど「まぁいつものことだな」と割り切れるようになるので、それまでは我慢も必要です。
生活環境に慣れずストレスがたまる
気候や住居などの生活環境も大きく変わるので、慣れるまではストレスがたまります。
シンガポールは1年を通して夏の気候なので服装はラクでしたが、四季がないので季節感を感じなくなりました。
当時の写真を見てもすべて半袖なので、何月に撮った写真かすぐに思い出せません。
また住居も網戸がない家が多く、苦手な虫の対応に当時の私はかなりストレスを抱えていました。
とくにアリの大群にはいつも悩まされていて、夜も眠れなくなるほどでした。
今となっては笑い話になりますが、夫いわく相当病んでいたようです。
環境面は大きく変えられないので受け入れるしかありません。
ストレスを感じたときは周りの友人に思い切って話してみると、意外に同じようなことで悩んでいるので心が軽くなりますよ。
同じ悩みを持つ友人と、アリ退治の方法について話し合うこともありました(笑)
SNSも活用すれば、思わぬところでつながりが持てますよ♪
働きたくても働けない
駐在妻として同行するときは、職場を休職・退職するかたがほとんどです。
そのため予期せぬキャリアストップが入ると、働きたくても働けないジレンマが生まれます。
やりがいを感じていた仕事なら、退職するのも大きな決断です。
私は仕事を辞めたことを引きずっていたので、しばらく働いていないことに罪悪感がありました。
働けないのであれば、仕事のない時間は自分の好きなことができます。
帰国後の再就職に向けて勉強したり興味のあることに挑戦を始めたりすれば、充実した毎日が過ごせますよ。
私も「自分の時間ができてラッキー!」と思うようになったことで、習い事や英会話を始められました。
自分磨きをしておくと、帰国後も新しい1歩が踏み出せますよ。
ワンオペ育児のハードルが高い
お子さんがいるようであれば、ワンオペ育児のハードルも高まります。
夫は海外出張が多く半月は自宅にいなかったので、子どもや自分の体調管理には特に気をつけていました。
気軽に利用できるサービスもなく、同じマンションのママ同士で協力し合うことで乗り切っていましたね。
たとえば私が高熱で動けなかったときは、夕方~次の日の朝までマンション内のお友達の家で預かってもらうこともありました。
日本のように相談窓口もないので、駐在妻さん同士のネットワークが大切です。
頼れる人がいないからこそ、みんなで支え合う大切さを実感しました。
いざという時のためにも、家族の協力はもちろん駐在妻同士のつながりも日頃から持っておくと心の支えになりますよ。
ここまでお伝えしたように、駐在生活は楽しいこともあれば辛いこともあります。
それでも「駐在妻になる!」と思った方は、ある程度リスクを背負う覚悟を持っておきましょう。
私は覚悟が弱かったので、駐在生活に慣れるのにも時間がかかりました。
少しでも心にとめていただけるとうれしいです。
駐在妻になったら背負うリスク
駐在妻になると決めたら、つぎの3つのリスクを覚えておきましょう。
- ライフプランが大きく変わるリスク
- メンタル不調になるリスク
- 日本へすぐに帰れないリスク
海外赴任についていくと決めて3つのリスクを覚悟しておけば、私のようにパニックになることも少なくなりますよ。
ライフプランが大きく変わるリスク
海外赴任についていくするとなれば、将来のライフプランも大きく変わります。
- 仕事を退職する
- 持ち家や車を売る(残す)
- 子どもの学習環境も変わる
他にもご家庭によって状況はさまざまですが、ついていくと決めると多くの選択をしなければなりません。
転勤族なので覚悟はしていましたが、まさか海外赴任とは夢にも思わず思い描いていたライフプランは大きく変わりました。
海外で働きたくてもビザの関係で働けないこともありますし、持ち家や車の管理なども人に頼るしかありません。
またお子さんがいれば語学の心配も出てきますし、異国の地で新しく学習環境を整えるのも大変です。
少しでも不安を取りのぞけるよう、海外赴任が決まったら情報収集は欠かせません。
海外赴任は辞令から出国まで数か月あるので、家族で手分けをして準備を進めていきましょう。
私はすでに駐在している方のブログや、海外赴任の情報サイトを見まくっていました。
やることリストを決めて、お互いの進み具合を確認しあいましょう。
メンタル不調になるリスク
現地の慣れない生活環境では、気持ちの浮き沈みも何度もあります。
日本での生活とギャップを感じるたびに、何度「帰りたい」と思ったことか……。
よく眠れない日もあれば、仕事中の夫から心配の電話が来るときもありました。
新しい環境に慣れるまでは時間がかかりますが、時間が経つと少しずつ慣れてくるのも事実です。
気持ちの余裕ができるまでは、自分の心と体を大切にしてゆっくり過ごすことも大切ですよ。
私も駐在妻になってから半年間は特に落ち込んでいました。
今ではSNSやオンライン相談窓口もあるので、話せる場所を用意しておくと不安も和らぎます。
どうしても辛いときは一時帰国も検討しつつ、パートナーに今の気持ちをしっかり伝えましょう。
日本へすぐに帰れないリスク
新しい環境に馴染めないときは、日本がとても恋しくなります。
家族や友人に会って話をしたくても、日本へ気軽に帰れないと気持ちが不安定になることも。
LINEなど使えば気軽に話せますが、実家のソファーでくつろぎながら話したいときもありますよね。
私は友人と会う機会も減り、グループ内ではレアキャラ状態でした。
また離れて暮らす以上、日本に住む家族に何かあってもすぐには戻れません。
転勤族の宿命ですが、すぐに帰れないぶんさまざまな覚悟が必要です。
海外赴任が決まったら、日本にいる家族とも今後についてしっかり話し合っておきましょう。
すぐに帰れないのは辛いですが、駐在中に家族や友人が日本から会いに来てくれたこともありました。
現地での暮らしぶりが知れて安心したそうです(笑)
離れて暮らしていても、こまめに連絡をとりあったり近況を話したりすることも大切ですよ。
勝ち組と感じるのは人それぞれ|納得のいく選択をしよう!
今回、駐在妻は「本当に勝ち組なのか」を考えるために、駐在生活での光と影の部分をお伝えしました。
最後にもう一度内容をまとめます。
- 海外の文化にふれられる
- 海外旅行が行きやすい
- 子どもの経験値が高まる
- 駐在妻仲間とつながれる
- 自分の時間を確保できる
- コミュニケーションがとれない
- 生活習慣や文化のちがいにとまどう
- 生活環境に慣れずストレスがたまる
- 働きたくても働けない
- ワンオペ育児のハードルが高い
また駐在妻になると決めたら、背負うリスクがあることもお伝えしましたね。
- ライフプランが大きく変わるリスク
- メンタル不調になるリスク
- 日本へすぐ帰れないリスク
「駐在妻=勝ち組」と考えるのは人ぞれぞれです。
しかしリスクを覚悟して駐在妻になっても、悩んだり落ち込むことも多々あります。
楽しい思い出もたくさんありますが、最初の半年間は生活に馴染めずとても辛かったです。
どこに住んでいても、悩みの種はつきません。
時間をかけてでも「自分だけの楽しみかた」が見つかれば、あなただけのキラキラした世界が見えてきますよ。
なかなか経験できない貴重な駐在生活を満喫しましょう!
あなたの駐在生活がより実りあるものになりますように……。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【ペンネームOK】コメントお待ちしております♪